即時型アレルギー検査・遅延型食物アレルギー検査

アレルギーについて

アレルギーについて食物アレルギーには、食べ物を摂取してすぐに症状が現れる「即時型:Ⅰ型アレルギー」と、数時間から数日後に症状が出る「遅延型:Ⅳ型アレルギー」の2種類があります。
多くのアレルギーは即時型で、花粉症や蕁麻疹、アナフィラキシーショックなどが代表的です。食後に数時間~数日経ってからアレルギー症状や、疲れ、下痢などの様々な症状が現れる場合、遅延型アレルギーの可能性があります。
眼科では、主にアレルギー性結膜炎の原因となるアレルゲンを採血検査で調べることができます。また、「便秘や肌荒れが続く」「イライラや不安感が強い」「理由はわからないが体調が優れない」などの症状が、実は食べ物が原因で引き起こされている可能性があります。

自分の体の状態をより深く理解する上で、即時型・遅延型アレルギー検査が役立ちます。
即時型検査は、保険適応で行うことができ、IgEという抗体を調べます。
一方、遅延型アレルギー検査は、自費の検査となり、様々な食物に対するIgG抗体を調べます。
IgE検査は全て陰性でも、IgG抗体では陽性となる場合もあります。
検査で陽性結果となった食物を除去することで、症状が改善するケースがあります。
当院での検査対象年齢は、18歳以上です。

即時型アレルギーの検査内容

特異的IgE (View アレルギー39)検査を行っています。少量の血液を採取して調べます。検査項目は以下のものです。

ヤケヒョウヒダニ、ネコ皮屑、イヌ皮屑、卵白、ミルク、小麦、米、ゴマ、ソバ、ピーナッツ、大豆、カニ、エビ、豚肉、牛肉、マグロ、サケ、リンゴ、サバ、鶏肉、キウイ、バナナ、オボムコイド、カモガヤ、オオアワガエリ、ハウスダスト1、ゴキブリ、ガ、ラテックス、アスペルギルス、カンジダ、アルテルナリア、マラセチア(属)、ハンノキ(属)、シラカンバ(属)、スギ、ヒノキ、ブタクサ、ヨモギ

保険適応となりますので、費用は、3割負担で約10,000円(診察料込み)です。

アレルゲンカレンダー:
注意が必要な時期

  1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月


樹木花粉
ハンノキ              
  スギ              
    ヒノキ              
      シラカンバ              
イネ科花粉       カモガヤ・オオアワガエリなど  
キク科花粉               ブタクサ・ヨモギなど  
カビ       アルテルナリア・アスペルギルス  
昆虫         ガ・ユスリカ  
室内塵 ハウスダスト・ダニ・ネコ・イヌ・ガ・ゴキブリ

花粉症に関連する食物アレルギー

花粉ー食物アレルギー症候群(PFAS:pollen-food allergy syndrome)

花粉症の中には、関連する果物や野菜を食べて唇や口、のどにイガイガ感やかゆみや腫れを感じる人がいます。
表は、どの花粉と食物が関連があるかを示します。
花粉の飛散時期には、関連する食物を食べたときに症状が出やすいとされています。




1~6月
ハンノキ リンゴ、サクランボ、桃、梨、パセリ、セロリ、アーモンド、ヘーゼルナッツ
シラカンバ(白樺) キウイ、リンゴ、梨、すもも、杏(あんず)、サクランボ、トマト、セロリ、ニンジン、ジャガイモ、ピーマン、クミン、洋梨、ヘーゼルナッツ、クルミ、アーモンド、ピーナッツ
2~4月 ヒノキ、スギ 桃、柑橘類、リンゴ、メロン、トマト
4~10月 オオアワガエリ
カモガヤ
メロン、スイカ、キウイなど


7~11月
ヨモギ 桃、ライチ、マンゴー、ブドウ、セロリ、ニンジン、パセリ、ニンニク、キャベツ、ブロッコリー、クミン、ひまわりの種、ピーナッツ
ブタクサ メロン、スイカ、バナナ、ズッキニーニ、キュウリ、カボチャ

遅延型食物アレルギーの症状

遅延型食物アレルギーは、身体の内外、メンタルまで幅広く影響があると考えられています。
以下、代表的な症状をご紹介します。該当するものがありましたら、お気軽にご相談ください。

など

遅延型食物アレルギーの検査内容

IgG 食物過敏セミパネル(120項目)

日本人の食生活に親しみのある食品を幅広く網羅したパネルです。乳製品、野菜、果物、肉、魚介類、ナッツ、穀物、飲料、スパイス、海藻など、120種類の食品を対象に過敏反応を調べます。

対象食品カテゴリと具体例

食品カテゴリ 具体例
乳製品・卵 カゼイン、チーズ(ミックス)、卵白、卵黄、牛乳、ホエイ、ヨーグルト
肉類 牛肉、鶏肉、馬肉、ラム、豚肉
魚介類 シーバス、ハマグリ、アサリ、タラ、カニ、ウナギ、サバ、タコ、カキ、鮭、イワシ、ホタテ貝、鯛、エビ、イカ、マグロ
ナッツ・卵類 アーモンド、ソラマメ、サヤインゲン、キドニー豆、カシューナッツ、栗、ヒヨコ豆、ココナッツ、銀杏、緑豆、エンドウ豆、ピーナッツ、ピスタチオ、菜種、あずき、ゴマ、大豆、西洋クルミ
穀物(グルテン含む) 大麦、デュラム小麦、グリアジン(グルテン)、オート麦、ライ麦、スペルト小麦、小麦、小麦ふすま
穀物(グルテン含まない) ソバの実、トウモロコシ、白米、キノア
果物 リンゴ、アボカド、バナナ、ブルーベリー、チェリー、ブドウ、グレープフルーツ、キウイ、レモン、マンゴー、メロン、オレンジ、桃、洋梨、パイナップル、イチゴ、スイカ
野菜・海藻 寒天、わかめ、アスパラガス、ナス、ビート(てんさい)、ブロッコリー、ニンジン、カリフラワー、セロリ、キャベツ、キュウリ、ニンニク、ショウガ、昆布、リーキ(西洋ネギ)、レタス、もやし、マッシュルーム、オリーブ、たまねぎ、ピーマン、ジャガイモ、かぼちゃ、ラディッシュ、ほうれん草、サツマイモ、トマト、カブ
ハーブ・スパイス バジル、赤唐辛子、シナモン、カレー粉、マスタード、パセリ、コショウの実、ペパーミント、バニラビーンズ
その他 カンジダ、サトウキビ、カカオ豆、コーヒー、ハチミツ、紅茶、緑茶、製パン用イースト、醸造用イースト

IgG 食物過敏フルパネル(219項目)

セミパネル(120項目)に加えて、さらに99種類の食品を追加し、現代の多様化した食生活に対応したパネルです。要望の多かったハーブやスパイスも豊富に含まれています。

追加対象食品カテゴリと具体例

食品カテゴリ 具体例
乳製品・卵 バッファロー乳、ヤギ乳、羊乳、α-ラクトアルブミン、β-ラクトグロブリン
肉類 カモ、ヤギ、ウズラ、ウサギ、七面鳥、子牛肉、鹿肉、イノシシ肉
魚介類 ニシン、アンチョビ、カメノテ、鯉、キャビア、赤貝、コウイカ、メルルーサ、ロブスター、アンコウ、ムール貝、シーパーチ、カレイ、マテ貝、シタビラメ、メカジキ、マス、ヒラメ
ナッツ・卵類 白インゲン豆、ブラジルナッツ、キャロブ、フラックスシード、ヘーゼルナッツ、レンズ豆、マカデミアナッツ、松の実、ヒマワリの種、タイガーナッツ
穀物(グルテン含む) 麦芽
穀物(グルテン含まない) アマランス、タピオカ、キビ(ミレット)
果物 アプリコット、ブラックベリー、カシス、クランベリー、デーツ、イチジク、グアバ、ライム、ライチ、マルベリー、ネクタリン、パパイヤ、プラム、ザクロ、レーズン、ラズベリー、レッドカレント、ルバーブ、タンジェリン(みかん・ぽんかん)
野菜・海藻 芽キャベツ、スピルリナ、アーティチョーク、赤キャベツ、チャード、チコリ、ルッコラ、エシャロット、バターナッツかぼちゃ、クレソン、キャッサバ
ハーブ・スパイス

アロエベラ、アニシード、月桂樹の葉、カモミール、ケイパー、カイエン、クローブ、コリアンダー、クミン、ディル、フェンネル、ホップ、朝鮮人参、甘草、マージョラム、スペアミント、ネトル、ナツメグ、ローズマリー、サフラン、セージ、タラゴン、タイム

その他 トランスグルタミナーゼ

遅延型食物アレルギー検査の費用

検査費用は自費です。初診料込みで以下の金額となります。

IgG 食物過敏セミパネル(120項目) 38,000円(税込み)
IgG 食物過敏フルパネル(219項目) 58,000円(税込み)

遅延型食物アレルギー検査の
よくある質問

遅延型食物アレルギー検査の結果はどれくらいで分かりますか?

アメリカの研究機関へ検体を送りますので、結果が出るまでには3~4週間程度かかります。

遅延型食物アレルギー検査の結果で何が分かりますか?

IgG高反応がみられた食べ物を数週間から数か月にわたり控えて頂くことで、症状が緩和するケースがあります。一方、正常な方でも、食物に対するIgGが免疫応答により生じるという報告もあり、反応が出た全ての食物をやめることで栄養バランスが崩れることは避けないといけません。

遅延型食物アレルギー検査の結果を受けて日常生活で気を付けることはありますか?

高反応のものは除去し、そして、食べてよい食物はローテーションして食べることです。この簡単な二つの方法で健康への大きな良い影響を及ぼすことができるとされています。
粘膜免疫系、腸管関連リンパ系組織(GALT)が健康に大きな役割を果たしています。GALTは体内で一番大きな免疫関係臓器であり、体に入ってくる食物に対しての最初の防御武器です。GALTの健康や質は遺伝、食生活、生活習慣に影響されます。これらの要因を改善することによって、慢性的症状の予防につながる場合があります。症状が改善するまでには3か月以上かかります。

検査前に注意することはありますか?

通常通りの食生活を送られてください。プレドニゾンやシクロスポリン等の抗炎症剤や免疫抑制薬は、免疫システムを弱め検査結果に影響を与える可能性があります。検査を受ける前に薬を避けるべき期間は2週間から2ヶ月間前まで、個人差があります。免疫を抑える内服薬を内服されている場合は、中止可能か担当医と必ずご相談ください。

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