よくある症状

目がかすむ(霧視)

目がかすむ(霧視)「霧視(むし)」とは、視界がかすんで見えることです。網膜疾患や視神経疾患、近視や遠視の悪化による屈折異常、角膜や水晶体・硝子体の濁りなどによって現れる症状です。症状の進行スピード(遅いのか、一気に進んでいるのか)やかすみ具合、目の充血、痛みなどの様子から、原因や疾患を探っていきます。少しずつ進んでいる場合は、白内障緑内障などが疑われます。一気に進んでいる場合は、角膜炎や網膜疾患、視神経炎、ぶどう膜炎、急性緑内障発作などが考えられます。また、糖尿病を抱えている患者様の場合は、網膜障害を合併するリスクもありますので、少しでも「おかしい」と感じた際は、当院へご相談ください。

目が赤い

目が赤くなっている場合は、出血もしくは充血が起きている可能性があります。目の表面の血管から血液が出ることで、目が赤くなるケースもありますが、目の表面の血管が拡張した結果、充血になるケースもあります。また、充血は2種類あり、「結膜充血」と「毛様充血」に大別されます。結膜充血は、細菌やウイルスなどで発症する感染性結膜炎や、アレルギー性結膜炎によって起こるタイプです。白目の周りが赤くなるという特徴を持っています。毛様充血は、眼内の炎症や急性閉塞隅角緑内障(緑内障発作)によって起こるタイプです。角膜の周りが青紫色を帯びるのが特徴です。いずれの場合も原因を特定し適切な治療に繋げるため、お早めに当院へご相談ください。

結膜充血

白目の全体が赤くなり、目やにが出たり、涙がこぼれたりすることもあります。

毛様充血

白目の一部が赤くなり、特に角膜の周りが青紫色になっているのが特徴です。涙がこぼれることはありますが、目やには出ません。

結膜下出血

白目部分が真っ赤になる状態です。痛みやかゆみは伴いません。ごろごろ感を伴うことがあります。白目(結膜)の細い血管が切れて、内出血を起こした状態です。多くは1~2週間で吸収されるため、あまり心配のいらない疾患です。

目が痛い

目が痛いと一口に言いましても、その内容は多岐にわたります。大きく分けると、目の表面が痛むケース(目のゴロゴロ感、刺すような痛みなど)と、目の奥が痛むケースがあります。目の表面が痛む場合は、結膜炎や角膜炎、異物によって生じている可能性があります。また、麦粒腫や霰粒腫(さんりゅうしゅ)、眼瞼炎(がんけんえん)などでまぶたが炎症し、痛むこともあります。目の奥が痛むケースですが、その場合は眼精疲労やぶどう膜炎、視神経の炎症、頭痛、副鼻腔炎、頭部の異常などが疑われます。
「目の充血や痛みがひどい」「視力が下がった」「吐いた」などの症状も伴っている際は眼科救急疾患を生じている可能性があり、速やかに受診してください。

目やにが出る(眼脂)

目やにとは、目の表面の不要なものや古い上皮、血中の細胞・病原体などを、ムチンといった成分が絡め取ったことで生まれたものです。起床時、目の周辺に目やにが付くことは珍しくありません。ただし、注意する必要がある目やにも存在します。
黄白色でネバネバ・ドロドロしている目やには、黄色ブドウ球菌や肺炎球菌、インフルエンザ菌、淋菌などが原因の細菌性結膜炎で発生します。この場合は、片目のみに出ることが多いです。アデノウイルスなどのウイルスによるウイルス性結膜炎の目やには、サラサラしていることが多いです。透明(または白色)な目やにが1ヶ月以上続いていて、かつ両目に出ている場合は、ドライアイやアレルギー性結膜炎も疑われます。

涙が出る

悲しいと思っていないのにもかかわらず、いつも涙が溜まって目が潤んでいる、または涙が止まらなくなる状態です。涙の過剰分泌や、涙の排出に異常があって生じています。原因としては、鼻涙管閉塞(びるいかんへいそく)と結膜弛緩症などが挙げられます。通常、余った涙は目頭の涙管から鼻の中へ流れていきます。鼻涙管閉塞になると、その涙管が塞がれてしまい、涙が流れなくなります。先天性のタイプと、加齢に伴って発症するタイプに分かれます。赤ちゃんが発症している場合は、涙道のマッサージや涙道を開通させる治療を受けていただくこともあります。
結膜弛緩症での涙目は、加齢に伴ってまぶたの裏側の結膜が緩み、涙を上手く溜められなくなることで生じます。手術により改善する場合があります。お気軽にご相談ください。

目がゴロゴロする

目に異物が入ったり、角膜・結膜の炎症や上皮障害などによって起こります。角膜や結膜の炎症は2つあり、感染性と非感染性に分けられます。感染性は、細菌やウイルスによって発症するタイプで、ソフトコンタクトレンズの誤った使用方法などで起こることがあります。角膜炎を放っておくと失明に至るケースもあり、放置は禁物です。一方、非感染性では、スギやダニ、ハウスダストなどによるアレルギー性結膜炎によって症状が出ることもあります。長時間のパソコン操作や、コンタクトレンズの装着、ドライアイ、シェーグレン症候群などで起こるケースもあります。また、まつ毛が様々な方向に生える睫毛乱生(しょうもうらんせい)や、まつ毛が眼球側に向かう眼瞼内反症などが原因で、まつ毛が眼球を刺激してしまうこともあります。その結果、角膜や結膜に炎症が起こり、上皮障害を引き起こし、目のゴロゴロ感が出てくることもあります。また、マイボーム腺機能不全や結膜弛緩症などによって、異物感が生じるケースも存在します。様々な疾患が隠れている可能性があり、少しでも気になる方はお気軽にご相談ください。

目がかゆい

アレルギー性結膜炎が代表的です。アレルギー性結膜炎は大きく分けると、特定の時期に起こる「季節性」と、1年を通して発症する「通年性」があります。季節性は、スギやヒノキなどの花粉などで発症し、通年性はハウスダストやダニ、ペットの獣毛などで発症します。目のかゆみだけでなく、「涙や目やにがこぼれる」「白目の腫れ」などの症状も引き起こします。
アレルギー性結膜炎が長引いて重くなると、まぶたの裏に石垣のようなゴツゴツとしたものができ、かゆみや強いゴロゴロ感が出る「春季カタル」を発症します。学童期の男児に発症しやすいです。なお、目のかゆみは、細菌やウイルスによって発症する感染性結膜炎や眼瞼炎などでも見られます。

まぶたが腫れる(眼瞼腫脹)

まぶたの腫れは、まぶたやその周りに発生する疾患だけでなく、全身疾患が原因で起こることもあります。細菌感染によって発症した麦粒腫、まぶたのマイボーム腺が閉塞される霰粒腫、何らかの抗原によって発症した局所性アレルギー、食物の摂取による全身性アレルギーなどの疾患でみらます。中でも眼窩蜂窩織炎(がんかほうかしきえん)という、目の周りや後方の組織に起こる感染症の場合は、早急な治療が必要です。重篤化すると全眼球炎となり失明へと至ったり、脳へ炎症が波及すると脳の障害が起こる危険性もあるため、迅速な診断・治療が必要となります。

目が疲れやすい

目の疲れが解消されない状態のことを「眼精疲労」と呼びます。パソコン・スマートフォンなどの長時間使用やドライアイ、度数の合っていない眼鏡・コンタクトレンズの使用、斜視・斜位、白白内障緑内障、眼瞼下垂などによって起こります。目の疲れに加えて、目の痛み、目が重く感じる、目の充血、視界のぼやけ、ショボショボする、視界がまぶしく見える、涙が出るなどの症状も伴います。吐き気や頭痛、めまい、首や肩の凝り・疲労感といった全身症状を伴うケースも少なくありません。
また、自律神経失調症や更年期障害、風邪、精神的ストレス、アレルギー性鼻炎、虫歯、歯周病など、目以外の疾患などを機に、目が疲れやすくなることもあります。

まぶしい(羞明)

羞明(しゅうめい)とは、多くの方がまぶしく感じない明るさでも、目が開けられないほどまぶしく感じてしまう症状のことです。原因は多岐にわたりますが、目の痛みの有無によって、ある程度特定することは可能です。目の痛みを伴っていない場合は、瞳孔の開きや黄斑変性・萎縮、角膜・水晶体の濁りなどによって引き起こされています。痛みを伴っている場合は、角膜の異常や緑内障、ぶどう膜炎などによって引き起こされている可能性があります。原因疾患により、適切な診断・治療を受ける必要があります。また、虹視症(こうししょう:光の周りに、虹のような光の輪が見える状態)を伴うケースもあります。

歪んで見える

変視症とは直線の真ん中部分が歪んで見える症状のことです。文字などを読むと、字が歪んで見えるようになります。加齢黄斑変性や網網膜剥離網膜静脈閉塞症糖尿病網膜症などで病変が黄斑に生じると、変視症が生じやすくなります。

物が二重に見える

ものが二重に見えることを複視といいます。両目でものを見た時に、2重に見えている場合(両眼性複視)は、斜視や眼球運動障害が原因で起こります。片目で見た時に2重に見える場合(単眼性複視)は、白内障や乱視が疑われます。白内障では、ものが多重に見えることもあります。斜視が起こる原因は多岐にわたりますが、急激に現れた場合は、脳または神経の異常(脳梗塞や脳腫瘍、脳動脈瘤、重症筋無力症など)の可能性があるため、速やかに眼科へ受診してください。脳神経内科にて、MRI・CT検査を受けていただくこともあります。
糖尿病の合併症として起こる神経障害や、眼窩(がんか)の炎症性疾患、甲状腺眼症、外傷による眼窩吹き抜け骨折なども、視力に悪影響を及ぼします。

視界に動くものが見える(飛蚊症)

飛蚊症とは、視界に黒い虫や点、糸クズ、ドーナツ状の浮遊物などが浮かんで見える症状のことです。浮遊物は視線に合わせて動きます。明るい所にいると、浮遊物がよく見えるようになります。加齢に伴って生じた「生理的飛蚊症」であることがほとんどなのですが、中には網膜剥離などの疾患によって、発症しているケースもあるため、気を付ける必要があります。何らかの疾患によって起こっている場合は、「黒い点がいくつも見える」「黒い範囲が広く、カーテン状のものが浮いて見える」「ピカピカとした閃光が一瞬走る(光視症)」といった症状も伴います。

目が乾く

長時間集中してのパソコン・スマートフォンなどの使用は、目の乾きやすい環境と考えられます。加齢による涙の分泌量の減少・涙の質の変化、膠原病なども、目の乾きの原因になります。

視力が落ちた

近視・老眼の進行、角膜疾患、白内障緑内障、網膜硝子体疾患など様々な疾患によって起こります。白内障は白内障手術により視力向上を見込めますが、緑内障は放ってくと悪化し、失明に至る恐れもあります。視力低下を自覚し始めた時は、放置せずに当院へご相談ください。

視野が欠けている・視野が狭くなった(視野欠損・視野狭窄)

視野(見える範囲のこと)が一部見えなくなることを「視野欠損」といいます。「視野狭窄(しやきょうさく)」とは、視野が狭くなる状態です。緑内障が代表的な疾患です。
緑内障は、根治させることは難しいものの、眼圧を下げることで進行を抑えることができる疾患です。
また緑内障だけでなく、暗いところでものが見えにくくなる網膜色素変性や糖尿病網膜症網膜剥離、網膜静脈分枝閉塞症、視神経炎、副鼻腔炎、脳腫瘍などでも、同じ症状が現れます。
視野欠損・視野狭窄が生じても、人は片方の健康な目で補うことができます。そのため「発見した時点では、すでに進行していた」というケースも珍しくありません。「見え方がいつもと違う」と感じた際は、当院までご相談ください。

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