視神経線維層欠損(網膜神経線維層欠損)、
視神経線維束欠損(網膜神経線維束欠損)

視神経線維層欠損、視神経線維束欠損とは

視神経線維層欠損と神経線維束欠損は、それぞれNFLD・NFBDと略されます。正式名称はnerve fiber layer defect(NFLD)と nerve fiber bundle defect(NFBD)です。両者とも、「網膜視神経線維層欠損」という意味ですが神経眼科専門医からはNFLD、緑内障専門医はNFBDと呼ばれる傾向があります。網膜神経線維層とは、視神経乳頭から扇状に伸びる線維のことを言います。この視神経線維に欠損が生じると、網膜の色が周囲の網膜の色よりもわずかに暗くなります。

視神経線維層欠損、視神経線維束欠損を指摘された際の検査

視力検査

正常な矯正視力と、視野検査で使用する矯正度数を調べます。日常生活では両目で物を見ることが多いのですが、必ずしも焦点が合っているとは限りません。検査を受けることで、自覚しにくい目の異常や病気をいち早く発見することに繋がります。

眼圧検査

緑内障の原因に一つに、「眼圧」があります。眼圧とは「目の硬さ」を意味し、眼圧が変化しても自覚症状はありません。そのため、緑内障のような目の病気の存在を調べるためには、定期的な眼圧測定が必要です。眼圧は角膜の厚みにより測定結果が変化しますので、必ず角膜の厚みの測定も必要です。特に、近視治療のためにレーシックを受けられた方は、角膜の厚みが大変薄くなっており、眼圧が低く測定されてしまうため、油断は禁物です。

視野検査

網膜神経線維層欠損に対応する視野が欠損していても、初期の緑内障では自覚症状がほとんどありません。そのため、視野検査によって、そのような所見の有無を確認します。
当院ではアイモvifa®(自動視野計)を採用しています。アイモは両眼開放型ですので、両目をあけたままで検査でき、眼帯で片目を遮蔽する必要がなく、明るい部屋の中でも検査できる小型の視野計です。より自然に見ることができ、楽な姿勢で検査ができます。また、従来の機器に比べて比較的短時間で検査を終えることができます。

眼底検査

眼底検査OCT(Optical Coherence Tomography)は視神経乳頭とその周辺をスキャンすることで、網膜黄班部神経線維層の厚みを定量的かつ客観的に測定し、解析を行います。
緑内障の早期発見、経過観察にとても効果的な診断装置です。最先端医療装置であるOCTを使用することで、視神経乳頭解析や網膜神経線維層の欠損を把握し、視野検査結果との比較によって、緑内障を確実に診断します。OCTは眼科医の目視では捉えることのできない、わずかな変化も検出することができます。

視神経線維層欠損、視神経線維束欠損で考えられる病気

「神経線維」は、視神経乳頭から眼球内へ、扇状に広がっている神経線維です。これが傷ついて欠損している状態が、「視神経線維層欠損」および「視神経線維束欠損」です。
「視神経線維束欠損」は緑内障の初期症状として現れます。日本では40歳以上の20人に1人、60歳以上の10人に1人が緑内障と推定され、現在、失明原因の第一位とされています。緑内障は気づかないうちに徐々に進行し、一度視野が欠けると元に戻りません。そのため、人生100年時代において生涯にわたり視界を守るためには、早期の発見と継続的な治療が重要です。

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