視神経乳頭出血

視神経乳頭出血とは

視神経乳頭出血とは陥凹の拡大の他に、視神経乳頭の出血が見られる場合もあります。これは、出血部分の視神経繊維が脱落してきていることを示し、今後緑内障へ進行する可能性が高い、もしくは緑内障が悪化するサインです。 特に、眼圧が高くないのに視神経の脱落が進む「正常眼圧緑内障」との関係が深いため、乳頭出血を指摘された場合は、眼圧の状況に関係なく再検査を受けてください。そして、緑内障が確認された場合は、適切な治療を継続してください。
乳頭出血は自然に吸収されるため、次に検査を行った際には発見されない場合もあります。出血を見逃さないように、診察では毎回注意深く眼底を観察することが重要になります。

視神経乳頭出血を指摘された際の検査

眼底検査

眼底検査眼底検査と聞くと、目の病気だけを調べる検査と考える方が多いかもしれません。しかし眼底検査は、目の病気を診断するだけでなく、網膜(目の奥にある神経の膜)の血管を直接見たり、目以外の体の異常を調べたりすることができる優れた検査です。
眼底検査は緑内障、糖尿病網膜症、黄斑変性症、網膜色素変性症など、視力障害をもたらす目の病気の発見と治療のために行われます。また、動脈硬化の原因となる脂質異常症、高尿酸血症などの病気や、糖尿病、高血圧などの発見にも有用な検査です。
眼底の血管は、体外から直接観察できる唯一の血管でもあります。
眼底の血管に異常が起きていると、眼底以外の血管にも同様の影響が考えられます。
検査中は散瞳(瞳孔を開く)処置をしますので、検査後4~5時間は車、バイクや自転車の運転はできません。公共交通機関または送迎車でご来院ください。散瞳すると、歩行は可能ですが、お仕事は難しくなる可能性があります。

視野検査

視野検査は、患者様が検査装置を見て、様々な場所に現れる光点や模様の変化をみて、ボタンを押す検査です。視神経乳頭出血などによる視野の欠損や異常の発見に効果的です。
当院ではアイモvifa®(自動視野計)を採用しています。アイモは両眼開放型ですので、両目をあけたままで検査でき、眼帯で片目を遮蔽する必要がなく、明るい部屋の中でも検査できる小型の視野計です。より自然に見ることができ、楽な姿勢で検査ができます。また、従来の機器に比べて比較的短時間で検査を終えることができます。

眼圧測定

乳頭出血の原因の1つに、眼圧の異常があります。そこで眼球内の圧力を測定するために、眼圧測定が行われます。これは非接触式眼圧計を用いて眼圧を測定する簡単な検査です。異常がある場合には、接触式眼圧計(アプラ、iCare)を用いて再検査を行う場合があります。
眼圧は、日によっても時間帯によっても変化しています。通常は眼圧が変化しても自覚症状はありません。眼圧がとても高くなると、目の痛みや頭痛、吐き気を起こすこともあります。そのため、緑内障などの目の病気がないかを確認するためには定期的な眼圧測定が必要です。

光学的断層撮影(OCT)

OCTは非侵襲的な検査で、眼の内部構造を詳細に観察するために行われます。光を使って眼球の断層画像を撮影し、視神経乳頭とその周辺の構造を評価する検査です。これにより、視神経乳頭出血の状態や原因の特定が可能になります。眼科医による目視の眼底検査では検出のできない微細な構造変化をとらえることができます。

視神経乳頭出血の原因となる病気

高血圧

高血圧高血圧は、圧力によって血管が損傷し、視神経乳頭に出血が起こる現象の一因となっています。高血圧が続くと、目の血管が破裂して出血し、視神経を損傷することがあります。

糖尿病網膜症

糖尿病の患者様に発症する網膜の病変です。糖尿病は血管を損傷し、網膜内の出血や浮腫を引き起こし、視神経乳頭出血に繋がる可能性があります。

視神経炎

視神経が炎症を起こす病気です。感染症や自己免疫病が原因となることがあります。炎症は視神経乳頭を刺激し、血管の破裂を引き起こします。

視神経腫瘍

視神経とその周辺組織にできる腫瘍のことを視神経腫瘍と言います。これらの腫瘍は視神経を圧迫して血流を阻害し、視神経乳頭出血を引き起こすことがあります。

視神経萎縮

視神経の変性によって生じる視覚障害です。この病気では視神経が弱くなり、血管が破裂して出血するリスクが高くなります。

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